8課

Q0:

この課で学習する新出語彙を教えてください。

A0:

こちらのページをご覧ください。

 



Q1:

この課で学習する大切な文型は、何ですか。

A1:

この課では、「あげます/もらいます」の動詞を中心に勉強します。これは「~(人)に~(もの)を~ます」の文型です。「あげます/もらいます」のほか、「貸します/借ります」「教えます/習います」なども同じ仲間で、 ものや行為の人から人への移動を表します。

 



Q2:

この課では、どんなことが話せるようになりますか。

 

A2:

「あげます/もらいます」を使ってもののやりとり(授受)について話せるようになります。

また、この課では自分の家族や相手の家族の呼び方を学習しますから、自己紹介の話題も広がります。

そのほか「ひとつ、ふたつ、・・・」という数え方も学習します。

 



Q3:

教科書以外に、支援者が用意したほうがいいものがありますか。

A3:

「あげます/もらいます」は実際に学習者がやりとりをするとわかりやすいので、 花、チョコレート、CD、本、おもちゃ、リボンを付けたプレゼントなど 学習者に合ったものを用意するといいでしょう。

また、家族の呼び方を学習するときは、 差し支えなければ支援者や学習者の家族写真があるといいかもしれません。

 



Q4:

文型(Ⅰ)をどのように教えたらいいでしょうか。

A4:

Q3で書いたようなものを用意し、誕生日・クリスマス・バレンタインデー といった特別な日を場面として設定しましょう。

ものをあげたり、もらったりすることが多いので、「誰が 誰に 何を あげます/もらいます」 という大事なポイントがつかめると思います。

たとえば場面をクリスマスパーティーにします。 あらかじめ人数分(以上)のプレゼントを袋に入れて用意してください。

まず学習者に「きょうはクリスマスパーティー。」と告げます。そして、支援者が学習者の一人に袋からCDを取り出し、渡す様子を見せ、 「メリークリスマス。どうぞ。」と言いながら渡します。 (学習者「ありがとうございます。」)そして、「AさんにCDをあげました。」と皆に言います。

同じように次の学習者にもプレゼントを渡し、その都度「~さんに・・・をあげました。」と言います。 何回か繰り返し、学習者が理解したようだったら、学習者同士でやりとりをしてもらいます。

プレゼントはQ3に挙げたもののほか、ペン、ハンカチ、財布、ペンダント、ディズニーランドのチケット、ネクタイ、DVDなど学習者が普段よく目にするもので、プレゼントに相応しいものを探してみてください。 新しい語彙も増えるし、楽しい練習になります。

一通り終わったら、「(わたしは)ジェニーさんにCDをあげました。」のように、 自分が「誰に」「何を」「あげた」を言ってもらいます。 ここで、助詞の「に」と「を」を正しく使えるように練習しましょう。

「誰に花をあげましたか。」「キムさんに何をあげましたか。」 などの応答練習も入れてみましょう。

 



Q5:

学習者が「ポールさんは

わたしに花をあげました。」と言ってしまいます。

 

A5:

「あげます」は、自分⇒第三者、第三者⇒第三者の間にもののやりとりがあったときに使います。

このような間違いがでないように、最初は「わたしは」を入れて、 「わたしは~さんに・・・をあげました。」と言う練習をしましょう。(Q8参照)

 



Q6:

文型(Ⅱ)はどのようにしますか。 

A6:

(Ⅰ)と同じように実際にもののやりとりをしながら、勉強しましょう。

最初は支援者が学習者の一人にプレゼントを渡してもらい、 「(わたしは)ピーターさんにペンをもらいました。」と言います。 同様に学習者同士でやりとりをしながら、「~さんに・・・をもらいました。」と言う練習をします。

また、学習者には第三者の立場から言ってもらいましょう。 (「ピーターさんは先生にペンをあげました。」「先生はピーターさんにペンをもらいました。」)「あげました」「もらいました」の言い方に慣れてきたら、 家族の誕生日や友人の結婚のお祝いに何をあげたか、また自分は何をもらったか、 学習者に聞いてみましょう。

お国柄も表れて楽しい時間になるでしょう。

 



Q7:

「張さんからお菓子を

もらいました。」という言い方もすると思いますが。

 

A7:

そうですね。「もらいます」の場合は、助詞は「に」「から」どちらも使えます。

「張さんから」のほうが「張さんに」と言うより、誰からもらったのかが強調される言い方になります。ただ、ものの出どころが学校や会社のような組織や機関のときはいつも「から」を使います。

(例:会社から記念品をもらいました。)

 



Q8:

「くれます」を使った練習はしないのですか。

 

A8:

「くれます」は第三者⇒自分または自分側の人(家族・友達)にものの授受があったときに使います。

(例:ポールさんは私に本をくれました。)

「もらいます」と間違えやすく、学習者には難しいので、ここでは扱いません。

この課では「あげます」「もらいます」をおさえましょう。

「くれます」は24課で勉強します。

 



Q9:

文型(Ⅲ)をどのように教えますか。

 

A9:

「電話をかけます」「教えます」「貸します」「送ります」は、 「あげます」と同じように話し手から相手に向けられる行為です。

「習います」「借ります」は「もらいます」と同じで、相手から話し手に向けられる行為です。

「Aさんに電話をかけました。」「Bさんに電話をもらいました。」 のように2つの行為を一緒に教えるとわかりやすいです。

 



Q10:

「ひとつ、ふたつ、・・・」はどのように練習しますか。

 

A10:

7課で既に助数詞を勉強しましたが、ここでは「ひとつ、ふたつ」という数え方を教えます。

身近なものを数えるときや、お店で料理や飲み物を注文するときにも使うので、 覚えてもらうといいですね。

練習の一例ですが、りんご、おにぎり、ボタン、あめ、ボールなどのレアリア(実物) または絵をいくつかと、それらが入るくらいの袋か箱を学習者の人数分用意してください。 袋(または箱)には、ばらばらの個数の品物を入れておきます。 そして、学習者にいろいろ質問してみましょう。 「袋の中に何がありますか。」「いくつありますか。」学習者同士で練習もできます。

最後に、「袋の中にりんごがふたつあります。」というように完成した文で言う練習をしましょう。

「ひとつのりんごをもらいました。」のように名詞の前に助数詞を言ってしまう間違いがよくあるので、注意してください。

また、教室や建物の中のものについて何がいくつあるか皆で数えてみるのもいいでしょう。

教科書の巻末に助数詞の一覧表がありますから、参考にしてください。