Q1:
この課で学習する大切な文型は、何ですか。
A1:
大切な文型は「(場所)に(もの・人など)があります・います」(存在文)「(もの・人など)は(場所)にあります・います」(所在文)です。
「あります」と「います」の使い分け、上や下などの位置詞、~枚、~個などの助数詞も併せて勉強します。
Q2:
この課では、どんなことが話せるようになりますか。
A2:
自分の回りの状況について描写ができます。
また、道を尋ねたり、スーパーなどで買いたい商品の場所を尋ねることができるようになります。
Q3:
教科書以外に、支援者が用意したほうがいいものがありますか。
A3:
教科書にも位置を示す絵がありますが、そのほかにも絵カード(PC) があると便利ですし、箱があると、「中」「上」「下」など示すのに使えます。
いろいろな物が置いてある部屋のPC、銀行やスーパー、郵便局等々のある町の絵地図などを用意します。公園のPCも人、動物、木、池、遊具などいろいろなものが見られますからたくさん練習ができてよいと思います。
助数詞の学習のために身近な折り紙、みかん、ボールペン、キャンディー、傘などを用意します。
Q4:
文型Ⅲをどのように教えますか。
A4:
自転車、バイク、車、電車、地下鉄、新幹線、飛行機、船など乗り物の絵カード、 またはイラストがあると、いいでしょう。
また、「家族/友達/ひとりで行きました」という文を練習するときは、 家族と一緒、友達と一緒、ひとり等の絵カードかイラストが効果的です。
さらに世界地図や日本地図など各種の地図があると、話題が広がりますね。 地域の地図は、学習者が近隣の知識を増やすきっかけとなるでしょう。
Q5:
どのような練習方法がありますか。
A5:
用意した部屋のPCや、実際の身の回りのものを使って 学習者に自由に描写させるとたくさんの事が言えます。
また、学習者が自分の持ち物の位置を自分で動かしながら、 文を作るのもいい練習になります。
Q6:
文型Ⅲのコミュニカティブな練習にはどんなものがありますか。
A6:
支援者のカバンやポケットの中に手を入れて音をさせたりのぞき込んだりすると、 学習者は何があるのかなという気持ちになります。
支援者、学習者のカバンやポケットの中に何があるかお互いに聞き合うと、 本物のコミュニケーションができます。
Q7:
「あります」と「います」の区別はどのように教えますか。
A7:
学習者の既習の名詞を使って「~があります」「~がいます」 に分類してボード上などで提示すれば「あります」は自ら動けないもの、 「います」は自ら動くことができるものという区別が学習者にわかります。
公園のPCを使って「木があります」「子供がいます」、また「川に魚がいます」「スーパーの売り場に魚があります」も入れてみてください。
Q8:
文型Ⅳの「(もの・人など)は(場所)にあります・います」は、文型Ⅲとどう違いますか。
またどのように教えますか。
A8:
文型Ⅲの存在文が目で見た様子を描写するのに対して、文型Ⅳは所在文で、ものや人などが主題になっています。
ですから、それがどこにある(いる)のか、疑問の形にすると分かりやすいです。
支援者のメガネ、カバンなど、学習者もよく知っている物を、 机の下など支援者の見えにくい所にあらかじめ置いておき、 「私のメガネがありません」といって探す様子をします。
「私のメガネは?」「私のメガネはどこにありますか」と質問します。 すると学習者は「机の下にあります」と答えることができるでしょう。
そこで「私のメガネは机の下にあります」といって導入します。
支援者と学習者の両方がお互いにわかっている物、人についてその所在を言うことができます。
Q9:
その練習はどのようにしますか。
A9:
教室の中にある学習者、支援者のカバン、上着、傘、帽子などを使って練習しましょう。
「~さんの傘はどこにありますか」「~にあります」のようにお互いに聞き合います。
又、町の絵地図、デパートやスーパーの売り場のPCを使って練習もします。
インフォメーションギャップ使っての練習は、例えばいろいろな物や人がいる部屋のプリント①と、 そのプリントから物と人を取り除き、それらを余白に並べたプリント②を用意し、 学習者を二つに分けて①②のプリントをそれぞれに持たせて所在を聞き合います。
Q10:
「スーパーは 銀行のとなりです」と、「スーパーは 銀行の
となりにあります」の違いを、
どのように教えますか。
A10:
教科書に図示してあるように板書して、「~は~にあります」は 簡単な基本文型「~は~です」に置き換えることができる、 意味は同じであることを言います。
Q11:
助数詞の学習はどのようにしますか。
A11:
支援者の机の上にみかんやキャンディーを「1個、2個・・・10個」と言いながら置いていきます。
次に折り紙(紙)を「1枚、2枚・・・10枚」と言って同じように置いていきます。
これで物を数える場合、数+助数詞を用いること、物によってそれぞれ助数詞が違うことを理解してもらいます。
同様にして他の助数詞を導入します。
Q12:
助数詞の練習はどのようにしますか。
A12:
「~個」「~枚」は、品物を変えて口慣らしの練習をしましょう。
また、教室の中の人の数、学習者の数、男性の数、女性の数などを数えたり、 学習者のボールペンを集めて「1本、2本・・・10本」の口慣らしをしましょう。
「~本」の場合、発音が「ほん」「ぼん」「ぽん」と3種類あることに気づかせて練習してください。
練習の一つですが、支援者が手の中にキャンディーを持ち 「私の手の中にキャンディーが何個ありますか」と質問して当てさせます。当てた学習者にはそのキャンディーを全部あげます。
途中から学習者同士でやっても盛り上がるでしょう。
Q13:
助数詞を文の中で使う学習と練習はどのようにしますか。
A13:
Q11の場面を再現して、「机の上にみかんがあります」、次に「机の上にみかんが1個あります」という文を導入します。そして、文末の動詞の前に数+助数詞が入ることを図示します。
Q14:
会話の使い方について教えてください。
A14:
場所を尋ねる言い方は、日常会話でもよく使いますので、語彙を入れ替えて練習するといいでしょう。
初めにCDを聞かせるか、支援者が読み聞かせ、その後学習者と一緒に読みます。 絵を見ながら、内容をしっかり確認しましょう。
語彙を変えて練習する場合は、次のようにすると楽しいです。ボードに町の絵地図を書くか貼ります。絵地図のデパート等の語彙を確認してからボードの絵地図で、会話前半のスキットをやってみましょう。尋ねる建物は支援者がカードを配ります。