Q1:
この課で学習する大切な文型は、何ですか。
A1:
第1、2課と同じように文型は(Ⅰ)「~は~です」です。
Q2:
この課で学習する大切な学習項目は、何ですか。
A2:
時刻の言い方を学習します。「~時」、「~時半」のほかに「~分」も学習します。
また、「~月~日」という月日の言い方や100以上の大きな数字も学習します。
Q3:
この課では、どんなことが話せるようになりますか。
A3:
時刻を問い合わせたり、「~時から~時まで」のように 予定について話せるようになります。
スーパーや学校の開始時間、終了時間を問い合わせることもできますね。 また、誕生日や休日、諸行事の日程も言うことができます。
100以上の大きい数字も学習しますので、物の値段を言ったり、 問い合わせたりすることができるようになるでしょう。
Q4:
教科書以外に、支援者が用意したほうがいいものがありますか。
A4:
時刻を学習するときには時計、月日の学習にはカレンダー、 大きい数字には数字カードが大活躍します。物の値段を質問したり、答えたりするときには品物の絵や写真と 数字カードを組み合わせると、活発な会話がはずむでしょう。
その他に外国の切手があると、効果的です(Q9参照)。
Q5:
「~分」というのは
「~ふん」になったり、
「~ぷん」になったりして、
学習者がよく「にぷん」とか「さんふん」といってしまいますが、 どうしたらいいでしょうか。
A5:
「~分」は「いっぷん、にふん、さんぷん、・・・」のように、 「~ふん」になったり「~ぷん」になったりして、 全て正確に言えるようになるにはかなり負担がかかりますね。
そこで、5分きざみに「5分、10分、15分、・・・」だけ 言えるようになればいいことにしませんか。
「~5」の後は「ふん」、「~0」の後は「ぷん」になることだけ 納得してもらえれば、あまり間違えなくなります。
Q6:
時刻の言い方では、
「~分」以外に気を付けることはありますか。
A6:
数字は第1課で電話番号の言い方を学習しました。
ですから、学習者は「4」は「よん」、「7」は「なな」、 「9」は「きゅう」と覚えています。
ですが、「~時」というときには「よ」、「しち」、「く」となります。
学習者は「よんじ」、「ななじ」、「きゅうじ」ということもありますが、 逐一訂正はしないで、要所要所で訂正する程度にとどめ、会話や聞き取り練習などしながら、 自然に慣れてもらうのがいいのではないでしょうか。
Q7:
日付は、10日までは
「いち、に、さん
・・・」ではなく、
「ついたち、ふつか、
みっか・・・」という 言い方をします。 数字を「いち、に、さん
・・・」と学んだ学習者にとって、 これはとても難しい言い方ではないでしょうか。
学習者はこの言い方を覚えなければならないのでしょうか。
A7:
学習者が「いちにち、ににち」と言っても、大方の日本人は理解することができるでしょう。 ですから、言えなくても問題は少ないと考えられます。
ですが、日本人が言うときは「ついたち、ふつか、・・・」の方を多く使います。 聞いて分かるようになるためにも、できることなら、覚えて欲しいですね。
ですが、ただ暗記するように言っても、なかなか覚えられるものではありません。
そこで、発音の似た日付をグループにまとめて、発音練習をしながら学習してみてはいかがでしょうか。
「8日、10日」は長音、「3日、4日」は促音でまとめられます。
「2日、5日、20日」は「~つか」となりますので、仲間同士です。
「3日」と「6日」は語頭が同じマ行ですし、
「7日」と「9日」はともに語中に「の」があります。
「1日(ついたち)」だけは仲間のない孤立した発音ですので、最後に導入すると印象付けられるでしょう。
日付が言えるようになったら、本人や家族の誕生日、 日本や学習者の国の祝日などがいい練習材料になります。
Q8:
1万を「じゅうせん」と言う学習者がいます。
どうしていつもこのような間違えをするのか不思議です。
A8:
英語の場合を考えてみましょう。
1,000はone thousandですが、10,000 はten thousand になります。
Ten thousand を直訳すると、「じゅうせん」になりますね。
「じゅうせん」と言う学習者はその人の母語を直訳してしまっているのです。
日本語の数字の読み方は、教科書の「(Ⅳ)大きい数字」を見ていただくと分かるように、 4桁ずつ位が変わるようになっています。
このことを理解してもらうと、間違えなくなるでしょう。
理解してもらえたら、いろいろな数字を読む練習をしましょう。
ちらし広告など使うと、興味を持って練習してもらえるでしょう。
Q9:
「これはどこの~ですか」という練習問題がありますが、 練習するためにいろいろな国の品物を用意するのがたいへんです。
いい教材はないでしょうか。
A9:
切手が最適です。いろいろな国の切手を裏返しに並べ、 ひとりが1枚を指して「これはどこの切手ですか」と質問し、もうひとりがそれを取り上げて見てから、 「~の切手です」と答える練習はとても効果的です。
日頃、各国の切手を集めておきましょう。
また、この練習をすると、協力的な学習者からさらに切手をもらい、 練習の幅が広がることが期待できます。
イラストを用意するのも効果的です。
品物のイラストが描かれたカードを用意して、裏面に製造国と値段を書いておきます。
例えば、カメラのイラストカードを用意して、裏に「日本、19,800円」と書いておきます。 他にCDプレーヤー、
テレビ、車など身近な物のイラストカードを数枚用意します。
イラスト面を上にして並べ、ひとりが1枚を指して「これはどこのカメラですか。いくらですか。」と質問します。 もうひとりがそれを取り上げて裏面を見てから、 「日本のカメラです。19,800円です。」 と答える練習はとても効果的です。