Q1:
この課で学習する大切な文型は、何ですか。
A1:
8課で勉強した「あげます」「もらいます」を発展させた内容を学習します。まず、「くれます」が大切な文型です。
それから、既習の「あげます」「もらいます」に動詞の「~て形」がついた「~てもらいます」「~てあげます」「~てくれます」の形です。
Q2:
この課では、どのようなことが話せるようになりますか。
A2:
実際にあげたりもらったりしたプレゼントや、 贈り物の習慣などについていろいろ話すことができます。また、生活する中で助けてもらったり、逆に助けたりしたことや、 人に手伝って欲しいことについても、話せるようになるでしょう。
Q3:
教科書以外に、支援者が用意したほうがいいものがありますか。
A3:
実際にあげる小さいプレゼントや、プレゼントになる品物の絵などあるといいでしょう。 また、貸し借りできる品物や、見せて上げられる写真などもあると役に立ちます。
また、もし用意できるなら、電車の中の場面や病気で寝ている人の絵があると便利です。
Q4:
「くれます」はどのように教えますか。
A4:
「くれます」は、第三者から、自分または自分側の人(家族・友だち)に、 物の授受がある場合に使いますが、 他の言語では、「あげます」を同じように使う場合が多いので、 学習者がむずかしく感じる文型です。
教科書にある「ポールさんと張さん」「ポールさんとわたし」の絵などを 使いながら説明すると、いいかもしれません。
また、「わたしは ポールさんに 本をもらいました。」
→「ポールさんは わたしに 本をくれました。」
のように、いいかえる練習をするといいでしょう。
Q5:
「~てあげます」
「~てもらいます」
「~てくれます」
をどのように教えればいいですか。
A5:
基本的には、動作の場合も物の授受の場合と同じです。物のかわりに、動作をもらったり、あげたりするのだということが理解できれば、「~てあげます」「~てもらいます」
「~てくれます」のどれを使うべきかわかるはずです。とは言っても、話し手の気持ちを表すものなので、やはりむずかしいようです。
例えばつぎのようにします。
支援者が大荷物をもってドアが開けられない振りをして、学習者に開けてもらう。
支援者は「ありがとう。○○さんは、ドアを開けてくれました。 わたしはうれしかったです。」と言う。その場合、もし「○○さんはドアを開けました。」と言ったら、 そこには支援者の感謝の気持ちが見えませんね。
Q6:
この課では、どのような教室活動が考えられますか。
A6:
家族の写真を見せてあげたり、辞書を忘れたという設定で貸してあげたり、荷物を持ってあげたりなどの行為を、2人か3人で実際にやってみましょう。
その場合には「これはわたしの家族の写真です。」
「わあ、見せてください。」とか「荷物をもちましょうか?」など、自然な会話を心がけてください。
その後で、「わたしは○○さんに写真を見せてもらいました。」 「わたしは荷物をもってあげました。」などの文を作ります。
3人のグループ活動なら、第三者が2人の行為を説明するものいいですね。
Q7:
この課で、特に注意することがありますか。
A7:
この課では、まだ敬語を学習していません。ですから、「おしえていただきました。」「かしてくださいました。」
などの表現は、原則として使わないようにします。
ただし、生活の中で必要な学習者には、この段階で紹介したほうがいいでしょう。
また、「~てあげます」を丁寧な表現だと思って、目上の人に 「荷物をもってあげます。」「かさを貸してあげます。」などという学習者がいます。
「~てあげます」は特に目上の人に対して使わないように、 代わりの表現として
「荷物をもちましょうか(お持ちします)。」
「かさを使ってください(お使いください)。」
などを紹介しましょう。
*( )の中は、敬語表現