Q1:
この課で学習する大切な文型は、何ですか。
A1:
今まで勉強してきた日本語は、「です、ます」を使った丁寧体でした。 丁寧体は、学習者が直接接している日本人の話し方と少し違っているかもしれません。この課では家族や友達など親しい人と話す普通体という文の形を勉強します。
Q2:
この課では、どのようなことが話せるようになりますか。
A2:
「ごはん 食べる?」「うん、食べる」「ちょっと はさみ 取って」「はい、どうぞ」など、 家族や友達との自然な会話ができるようになります。
Q3:
教科書以外に、支援者が用意したほうがいいものがありますか。
A3:
もし、テープやCDなどが使えるなら、丁寧体と普通体のふたつのスタイルの会話を用意します。
支援者が実際に話して聞かせる場合でしたら、同じ内容の会話を、丁寧体と普通体で用意するといいでしょう。
Q4:
どんなとき丁寧体を使うのか、普通体を使ったら失礼にならないかなど、 学習者は不安になると思います。どのように使い分けを説明しますか。
A4:
基本的には、以下の通りです。
丁寧体を使う場合
1.目上の人、上司に対して
2.あまり親しくない人に対して
3.初めて会う人に対して
4.店などの客に対して
5.会議など公の場で
普通体を使う場合
1.目下の人、部下に対して
2.友達やとくに親しい人に対して
3.家族に対して
でも、丁寧体が普通体の会話の中に入り混じってくることもありますし、話し手の気持ちによっても変わります。慣れない学習者が無理して普通体を使うより、 徐々に生活の中で慣れていくほうがいいかもしれません。
また、書き言葉の場合も、新聞などは普通体で書かれているのに対し、 手紙文はふつう丁寧体で書きます。
Q5:
17課から19課まで「ない形」や「辞書形」「た形」などを 学習してきましたが、それと同じ形ですね。
A5:
その通りです。それに過去の否定が加わって、4つの活用があります。動詞や形容詞、名詞などの普通形をまとめると、以下の通りになります。
Q6:
どのように練習しますか。
A6:
まず、丁寧体の文を普通体に直す練習や、逆に普通体の丁寧体に直す練習をします。
活用だけでなく、「はい」「いいえ」などの言い方も変わるので、注意しましょう。
わたし(僕)は 英語を話します。
→ わたし(僕)は 英語を話す。
わたし(僕)は 英語を話すことができます。
→ わたし(僕)は 英語を話すことができる。
はい、ええ/いいえ → うん/ううん、いや
Q7:
「何時に帰りますか」や「きょうは暇ですか」 のような疑問文は、どうなりますか。
A7:
普通体では、語尾を上げて、疑問を表します。
「何時に帰りますか」は「何時に帰る?(↑)」のようになります。
「ひまだ」「雨だ」のような、な形容詞、名詞のときは、 「だ」をとって、「ひま?(↑)」「雨?(↑)」となります。
Q8:
ふだんは
「このスーパーは安い」
「今晩電話をかける」
というより、
「このスーパー、安いね」
「今晩電話かけるよ」
のような言い方をよくしますが…
A8:
日常の会話では、「は、が、を、へ」などの助詞はよく省略されることがあります。
また、「ね、よ、わ」などの終助詞も、日常会話でよく使われます。
Q9:
終助詞には、どんなニュアンスがありますか。また、どんなことに注意しなければなりませんか。
A9:
例えば、「ね」は、いろいろなニュアンスがあるのですが、 相手に共感や同意を表したり(「映画、みない?」「いいね」)、 確認したりする時によく使います。
「よ」は、相手が知らないこと、話し手が伝えたいと思っていることなどを伝えるときによく使います。(「この店のラーメンはおいしい?」「うん、おいしいよ」)また、「雨だわ」「行くわね」のように女性しか使わない終助詞もあるので、気をつけましょう。
Q10:
(Ⅱ)の例文で、
「いっしょにテニス(を)しない?」「ええ、しましょう」
となっていますが、どうして「うん、しよう」ではないのですか。
A10:
「しよう」「いこう」などの言い方は、意向形という活用の形です。
学習項目としては、もっと後のほうで扱うのでここでは提出されていませんが、 学習者の中には日常生活の中で聞いている人がいるかもしれません。 その場合は、ここで紹介してもいいでしょう。