Q1:
この課で学習する大切な文型は、何ですか。
A1:
「京都へ行ったことがあります」という経験を表す表現や 「本を読んだり、テレビを見たりします」という並列を表す表現を勉強しますが、どちらも「た形」を使った文型です。また変化の表現である「~なります/~なりました」も勉強します。
Q2:
この課では、どのようなことが話せるようになりますか。
A2:
過去の経験を聞いたり、話したりして、 より深くいろいろな話ができるようになるでしょう。
「~たり~たり」を使って、毎日の生活、仕事、行事など話題を広げることもできます。
また、物や人が変化する様子も話せるようになります。
Q3:
教科書以外に、支援者が用意したほうがいいものがありますか。
A3:
「雪/すし/歌舞伎/すもう」など学習者にとっては未経験のものなども話題にするので、 日本の紹介も兼ねて、カラーの写真や絵などをいろいろ用意するといいでしょう。
また、変化の表現には風船や病気の人が薬を飲んで元気になった絵などを用意すると、 「大きくなりました」や「元気になりました」という表現がすぐに理解できるでしょう。
Q4:
「た形」とは何ですか。また作り方はどのように教えますか。
A4:
「昨日、デパートへ行った」の「行った」は過去形(過去の行為)を表します。
「食べた?」という質問に対して「食べた」は完了を表しています。
「た形」の作り方は14課で勉強した「て形」の作り方と同じです。 「~て」を「~た」に変えます。
「て形」の作り方を忘れているかもしれませんから、復習もしたほうがいいでしょう。
行きます → いった
食べます → たべた
来ます → きた
します → した
Q5:
文型Ⅰの「~たことがあります」はどのように教えますか。
A5:
「京都へ行ったことがあります」も「京都へ行きました」も 過去に「行った」という行為を表していますが、「~たことがあります」は 過去に「経験」したことがあるという表現です。
「歌舞伎を見たことがありますか」など未経験と思われるもので 説明するとわかりやすいかもしれません。この文型は経験があるかないかを聞いていますから、答えは肯定の場合は「あります」、否定の場合は「ありません」になります。
Q6:
文型Ⅱの「~たり、
~たりします」は、どのように教えますか。
また、「~て、~て~します」とはどう違いますか。
A6:
休みの日にする動作(行為)を表す絵カードを何枚か用意し、 その中から代表的な動作を2,3選んで、 「休みの日は本を読んだり、テレビを見たりします」と説明します。
つまり、複数の動作の中から、並列的に例を話す場合に使います。
「本を読んで、テレビを見ます」は動作が順番どおりに行われる表現であること(16課)を復習し、 違いを確認しましょう。
Q7:
「音楽を聞いたり、本を読んだりします」と 「雨が降ったり、やんだりします」とは同じですか。
A7:
「音楽を聞いたり、本を読んだりします」は動作の並列ですが、 「降ったり、やんだり」のような反対の動詞を並べる
場合は、時々雨が降る、時々雨がやむという意味になります。肯定と否定の動詞を並べて、 「コーヒーに砂糖を入れたり、入れなかったりします」などとも言います。しかし、初級では難しいので、ここでは動作の並列の練習だけで、十分でしょう。
Q8:
「~なりました」に、
い形容詞とな形容詞はどう接続しますか。また、名詞が来る場合はどうなりますか。
A8:
《い形容詞+なりました》は「~い」を「~く」にして、「~くなりました」になります。
・レストランが新しくなりました。
《な形容詞+なりました》は「~になりました」になります。
・レストランがきれいになりました。
《名詞+なりました》は「な形容詞」と同じで、
「~になりました」になります。
・大学生になりました。
Q9:
文型Ⅲ、Ⅳの「~なります」と
「~なりました」の違いは何ですか。
A9:
「~なります」は「来週から開店時間が早くなります」のようなこれからの未来の変化を表します。
「~なりました」は必ずしも過去のことではありません。「暑くなりましたね」は「暑いですね」とほぼ同じ意味になります。
ある変化の結果である現在の状態を話すときに「~なりました」を使います。
「今日は暑いですね。暑くなりましたね」や 「最初、日本語が下手でしたが、今は上手ですね。日本語が上手になりましたね」 などと説明すると理解できるでしょう。
Q10:
文型Vの「日曜日は学校へいきません」 はどう説明すればいいですか。
A10:
助詞の「は」の説明ですね。
「私は~です」や「○○さんはなにをしますか」のような文を多く耳にしていると、 学習者は「~は」は主語につくものだと思うかもしれません。
でも正確にいうと、「は」は主題を表します。
(もうひとつ対比を表す場合もありますが、それは11課にあります)
「日曜日、学校へいきません」という文の日曜日に「は」をつけることで、 「日曜日について言えば・・・」と文の主題がはっきりします。
「手紙は、日本語で書きます」の文も、本来「日本語で手紙をかきます」という構造ですが、 「手紙は」と文頭にもってくると、手紙についての話であるということがはっきりします。