はじめに

Q1:

『日本でくらす人の日本語Ⅰ」は改訂されて、 どんな点が変わったのですか。

A1:

文型を骨組みにしている点は変わっていません。 サバイバルではない、しっかりした日本語をというコンセプトも同じです。

イラストを豊富にしたので、楽しく、親しみやすい雰囲気になりました。 わかりやすさ、学びやすさという面も、ずっと向上したと思います。



Q2:

本の全体の構成についておしえてください。

A2:

全部で25課からなっており、続編である「日本でくらす人の日本語Ⅱ」 と合わせて50課で、初級で学ぶほとんどの文型を網羅しています。

ひらがな、カタカナの50音表、登場人物のプロフィール、

あいさつや教室のことばも初めのページにあります。

また、学習の助けになるまとめが、次の課にはいっています。

 

 2課 こ・そ・あ・ど(指示語)

 4課 時の表現のまとめ

 6課 助詞の復習問題

 8課 家族の名称

 巻末 日本地図

  同  体の名称

  同  助数詞のまとめ

  同  動詞、い形容詞、な形容詞の活用表

  同  語句索引(英語・中国語訳つき)



Q3:

どんな学習者のための本ですか。

A3:

日本で生活している外国人が、地域の日本語教室で勉強するために、 この本は作られました。学習者を特定しているわけではありませんが、 長期滞在、永住の学習者に向いています。

また、日本語を中級・上級とレベルアップさせたい学習者には最適です。 授業時間が少ない場合も支援者の援助があれば、 巻末の単語訳を使って、独習も可能です。

 



Q4:

この本を使う上で、大切なことはなんですか。

A4:

この本は、日本語を使う上で大切な骨組みになる文型に、フォーカスを当てています。 易しい文型から順々に日本語を形から学んでいく方法です。

その文型を使って、学習者が話したいことを話し、伝えたいことを伝えて、 まわりの人々とコミュニケーションがとれるようになることを目標としています。 そのために、実際の生活で出会う場面や語彙を多く取り入れています。

 



Q5:

ひとつの課にどのくらい時間をかけますか。

A5:

勉強の仕方によっていろいろですが、1課に3~4時間が目安です。

 



Q6:

各課の構成と、学習の順序をおしえてください。

A6:

それぞれの課の初めに、「会話」があります。その課の文型を使った、 会話場面が示されています。

会話のCDがついていますが、日本語の学習を始めたばかりの人は、 最後にまとめとして使うほうがいいでしょう。少しでも日本語を学んだ人は、 とにかく聞いてみることをおすすめします。

わかっても、わからなくても気にすることはありません。

 

・次のページから大きい文字で書かれた部分が、その課の文型です。 (四角で囲ってある文は、会話の中に出てくる文です)

ひとつの課で勉強する文型は、3つ以上ありますが、 いっぺんに全部やらないように気をつけてください。ひとつの文型に対して、 それぞれ後のページに「れんしゅう」があります。 文型ごとに、れんしゅうをしていくと、いいでしょう。

 

・「れんしゅう」の後のページには、「会話れんしゅう」があります。 実際の場面を想定した簡単なやりとりです。ペアやグループで練習します。

 

・各文型の「れんしゅう」や、「会話れんしゅう」の後で、最後の「おしゃべりタイム」を使うと、かなり自由なおしゃべりができます。

 



Q7:

れんしゅうや会話れんしゅうを全部やる時間がありません。

どうすればいいですか。

A7:

たいせつなのは文型です。れんしゅうは、学習者のレベルに合わせて選んだり、 支援者が学習者に合わせて作り変えたりしてください。



Q8:

学習者は、まだひらがなやカタカナが読めません。支援者はどのように教えるのですか。

 

A8:

はじめのうちは、支援者が学習項目である文型を使って例文を言ったり、 場面の絵なども見せたりしながら、学習の手助けをするといいでしょう。 ジェスチャーも有効です。



Q9:

文字学習について教えてください。

 

A9:

文字は生活する上で必要ですが、学習者によっては覚えるのがなかなか大変です。 毎回5つから10くらいずつ、時間をとって学習するようにしましょう。ふつうは、ひらがなから勉強しますが、学習者自身の名前や出身国を書くために、 カタカナを先に勉強する場合もあります。