Q1:
この課で学習する大切な文型は、何ですか。
A1:
仮定条件を表す「~たら」が一番大切な文型です。
仮定条件の表現としては「~ば」もありますが、話しことばでは「~たら」がよく使われます。
ほかに、逆接をあらわす「~ても」もこの課の大切な文型です。
Q2:
文型Ⅰと文型Ⅱは、同じような「~たら」の文ですが、何か違いがありますか。
A2:
Ⅰでは、「安かったら」「バスがすぐ来なかったら」と、前の文で実現してないことを条件として示しています。
(これは「~ば」でも言うことができます)
Ⅰ-6の「5分早く家を出たら、電車に間に合ったでしょう。」は、 実際に起こらなかったことを仮に起こったらと、仮定して言っています。
Ⅱは、「駅に着いたら、電話します。」のように、 前のことが完了したら、後のことをするという意味です。 この場合の「~たら」は仮定条件ではありません。
Q3:
文型Ⅰの「~たら」は
どのように教えますか。
また何か用意する教材がありますか。
A3:
まず、架空のことを例にして、仮定条件の意味をわかってもらいます。例えば「わたしは、今お金がありません。でももし1億円あったら、大きい家を買いたいです。 それから、世界旅行をしたいです・・・」 「あしたの天気はわかりません。いい天気だったら・・雨だったら・・」など。
また、雨が降ってハイキングを中止する(家にいる)、朝寝坊して朝ごはんを食べない、といった絵などがあるといいですね。
(後に学習する「~ても」にも使える条件の絵が便利です)
意味がわかったら、接続の形を確認します。 動詞に関しては「~て形」と作り方が同じです。
動詞、形容詞、名詞も過去形に「ら」がつきますが、 過去のことではないと学習者に確認しておきましょう。
Q4:
文型Ⅱの「~たら」はどのように教えますか。
A4:
「~時になったら」とか「この授業が終わったら」のように、 必ず起こることを例にするといいでしょう。そして、これらは「もし~」という仮定ではないことを確認します。
「12時になったら、いっしょにお昼ご飯を食べませんか?」 「授業が終わったらすぐうちへ帰ります。」など、いろいろ文を作ってみましょう。
Q5:
文型Ⅲの「どうしたらいいですか」は、どんなとき使いますか。またどのように練習しますか。
A5:
方法、やりかたについてたずねたり、アドバイスを求めたりする時に使います。
また、答えるときにも「~たらいいですよ」と、「たら」を使います。 このまま、ひとつの表現として覚えるといいでしょう。
学習者が生活の中で出会いそうな場面を使って、
「子どもの学校で、電話連絡があります。でも日本人の電話がよくわかりません。 どうしたらいいですか?」
のように、練習してみましょう。
Q6:
文型Ⅳの「~ても」は
逆接ですが、逆接の意味
をどう教えればいいですか。
A6:
文型Ⅰの仮定の「~たら」の例文や絵を使って、 「~たら」と比較しながら説明するとわかりやすいです。
A:「わたしは、お金があったら大きい家を買います。」
B:「いいえ、私はお金があっても買いません。」
A:「雨が降ったらハイキングに行きません。」
B:「わたしは、雨が降っても行きます。」
Q7:
この課ではどのような
教室活動が考えられますか。
A7:
おしゃべりタイムのように、架空の条件で、自由に楽しく話すこともできます。
また、「たら」「ても」両方を使って自分自身のことを話せるように、 いろいろな質問カードを用意するのもいいでしょう。 質問の内容は、学習者の職業や立場に合わせていろいろ考えましょう。
主婦:「忙しくても料理を作りますか?」
「部屋が汚れたら、すぐきれいに掃除しますか?」
「お金があったら、高いブランド物を買いますか?」
会社員:「夜遅く寝ても、遅刻しませんか?」
「仕事が多かったら、残業しますか?」
「仕事でむずかしいことがあったら、
どうしますか?」
学習者同士質問しあって話が発展したときには、文型にとらわれず自由に話すことが大切です。
また、そのあとで、質問と相手の答えを発表し、
「Aさんは、とてもいい主婦だと思います。」
「Bさんは、まじめな会社員だと思います。」
など、皆で感想を言い合うといいでしょう。