Q1:
この課で学習する大切な文型は、何ですか。
A1:
いわゆる「こそあど」が大切な文型です。
ものを指し示すときの「これ、それ、あれ、どれ」や 、 場所を示す時の「ここ、そこ、あそこ、どこ」、 また、名詞の前につける「この、その、あの、どの」などです。
Q2:
この課では、どんなことが話せるようになりますか。
A2:
身近にある品物のなまえを知りたい時、 「これ・それ・あれは、何ですか」と尋ねることができます。また、建物の中で、「トイレはどこですか」「教室はどこですか」などと、 行きたい場所を尋ねることができます。
また、曜日の言い方も勉強しますので、 日本語教室などの曜日についても話せるようになります。
Q3:
教科書以外に、支援者が用意したほうがいいものがありますか。
A3:
学習者にとって必要な身近な品物をたくさん用意しましょう。
また、「ここ、そこ、あそこ」で使われる場所は主に建物内なので、 トイレ、受付、教室などの絵カードがあると便利です。
また、曜日の学習のために、カレンダーは是非、用意してください。
Q4:
文型Ⅰの「これ、それ、あれは~です」をどのように教えますか。
A4:
支援者と学習者が、それぞれ本やノートなど、品物を手にもちます。
支援者は自分の持ったものを示して「これは、本です」、 次に、学習者の持っているノートを指して「それはノートです」と言います。 それからふたりから遠く離れたものを指して、「あれは、時計です」と言います。
品物を変えて何度か繰り返したら、話し手の領域のものを「これ」、 相手の領域のものを「それ」、両者から遠く離れたものを「あれ」で示すことを、 図に描いて説明しましょう。
Q5:
「これは、なんですか」を楽しく練習するやり方を、教えてください。
A5:
その「もの」が何か、わからなかったら、「これはなんですか」と聞きますね。
品物を影絵のようにしたり、半分隠したり、鉛筆のような形の消しゴムなどを見せたりしたら、 楽しいですね。
また、袋や箱の中に入っているものを、「これは何ですか」と互いにたずねあうのも、いいでしょう。
学習者がなまえを知らない品物をいくつか用意しておくと、学習者が支援者に名称を尋ねることで、 本物のコミュニケーションができます。
Q6:
「ここ、そこ、あそこ」や「どこですか」をどのように教えますか。
A6:
もしできたら教室を出て、建物の中を案内して歩くといいでしょう。
また、館内の職員の方に協力をお願いして、「○○はどこですか」 と学習者が質問できるといいですね。
Q7:
「それ」や「そこ」は、相手のいる場所を指すとのことですが、 そうでない場合もありますか。
A7:
話し手と聞き手から少し離れた場所のものを指す時にも、 「それ」や「そこ」を使います。
実際に物を少し離れた場所において、「それは、本です」、また少し離れたところを指して、「トイレはそこです」と言ってみましょう。
Q8:
練習1や2のやり方が、
よくわかりません。
A8:
この練習は、ものや場所が、話し手の領域か、相手の領域か、 ふたりから離れた領域かで、「こ、そ、あ」を選ぶものです。
ですから、まず、Aさん役とBさん役をはじめにきちんと決めてください。
そして、絵を指しながら、まず例をやってみること。そうすればやり方が理解でき、 練習がスムーズにいきます。
Q9:
文型Ⅲの「これはだれのですか」はどのように教えますか。
また練習はどのようにしますか。
A9:
これは、実際の持ち物を使うと楽しくできます。
みんなのボールペンや本などを集めましょう。
「これは、○○さんのボールペンですか」「これはだれのボールペンですか」などと、 聞いて持ち主に返します。
発話に慣れたら、品物は省略して「これはだれのですか」でも言えることを示します。
練習3も、教科書どおりでなく、実際の持ち物で練習したほうが楽しくできます。
Q10:
「これは、ポールさんのかさです」と「このかさは、ポールさんのです」のちがいをどう教えればいいのかわかりません。
A10:
2つの文の違いを教えるより、まず「この、その、あの」が 名詞を修飾する形であることを理解させることが大切です。
1課で「あの人はだれですか」「あの方はどなたですか」を学習しました。
写真の人物などを見ながら、「この人は、○○さんです」などと言う練習をしましょう。
その後で、「この人」「この本」「このかさ」→「このかさは、ポールさんのです」のように文レベルに移行します。
「これは、ポールさんのかさです」も「このかさは、ポールさんのです」でも、基本文型は「~は~です」です。
Q11:
曜日の学習はどのようにしますか。
A11:
カレンダーやカードを使ったり、もし漢字に興味のある学習者がいたら、 「月、火、水」などの漢字も使って、勉強しましょう。
実際の日本語教室や休館日などを使って、「日本語教室は水曜日です」「月曜日は休みです」 のように練習したり、地域のゴミの日について説明したりしてください。