Q1:
この課で学習する大切な文型は、何ですか。
A1:
「わたしは パソコンが ほしいです。」
「わたしは 日本語が わかります。」
「私は お金が あります。」のような、
「~は ~が ~です」の文型を勉強します。
助詞「が」の使い方が大切です。
Q2:
この課では、どんなことが話せるようになりますか。
A2:
学習者、支援者が、それぞれの趣味や好み、得意なことなどを聞き合う、 又、クラスで発表することで、お互いについての情報量が増え、 楽しい会話ができるようになります。
さらにここでは、「とても、少し、あまり、ぜんぜん」という レベルを表す副詞を身につけることによって、表現の幅が広がり、 より日本語らしい会話ができるようになります。
Q3:
教科書以外に、支援者が用意したほうがいいものがありますか。
A3:
文型ⅠとⅢでは、車や住宅のカタログ、デパートのチラシ、文型Ⅱでは、スポーツ、料理などの写真、人物の絵カードなど を用意するといいでしょう。
Q4:
文型Ⅰの「わたしは ~がほしいです」は どのように教えますか。
A4:
チラシやカタログを見ながら、その中から学習者が欲しい物を選び、 「~が 欲しいです」と言う練習をします。その時、助詞が「が」であることを意識させましょう。
「何が 欲しいですか?」
「わたしは パソコンが 欲しいです。」
「わたしは 車が 欲しいです。」のQ&Aを繰り返します。それぞれの欲しい物、好みが分かって、楽しく会話を発展させることができるでしょう。
Q5:
「~が ほしいです」を練習していると、
「動作で表すこと(例えば〔ディズニーランドへ行く〕)ほしいです」 と言いたくなる学習者がいます。
A5:
「ほしいです」は、必ず「(名詞)+が ほしいです」(例:「お金が ほしいです」)です。
動作を表す言葉(動詞)は「動詞のます形+たいです」(例:「ディズニーランドへ行きたいです」)
となりますが、この文型はすでに10課で勉強しました。
ここでは学習者が欲しがると思われる名詞を沢山用意して、 「(名詞)が ほしいです」が確実に定着するように練習してください。
Q6:
文型Ⅱ「わたしは ~がわかります」は どのように教えますか。
A6:
テキストの13ページ〔教室のことば〕で「わかりました」「わかりません」があります。 よく使われることばなので、意味はすぐわかると思います。
ここでは「~が わかります」を使って、「わたしは ひらがなが わかります。」「わたしは 漢字が わかりません。」のように、学習者が日本語のどの段階(ひらがな、カタカナ、漢字)
まで理解しているかを、言い表すことができます。
さらに、副詞を加えることによって、「少し わかります」「あまり/ぜんぜん わかりません」のように、 理解の段階をより詳しく言い表すことができるようになります。
Q7:
文型Ⅱ「《~》は 〈~〉が(形容詞)です」は どのように教えますか。
A7:
人物の絵カード(Aさん:背が高くて、目が大きい人、Bさん:髪が長くて目が小さい人などの)を用意して、
「《Aさん》は 〈背〉が (高い)です。」
「《Aさん》は 〈目〉が (大きい)です。」
「《Bさん》は 〈髪〉が (長い)です。」
などを練習します。
学習者によっては、「Aさんの目は大きいです」と言う人もいるかもしれませんが、 日本語では、「Aさんは・・」で始める文のほうが自然であることを説明しましょう。
学習者が理解しやすいような例文、
「《東京》は 〈交通〉が (便利)です。」
「《東京》は 〈物価〉が (高い)です。」
も示します。
ここで、《~》の一部である〈~〉の様子、状態が(形容詞) であることを言い表していると理解できるでしょう。この文型を使って、身体の状態、例えば「〈頭〉が(痛い)です」 「〈おなか〉が(痛い)です」を表現することができます。
Q8:
文型Ⅲ「《~》は 〈~〉があります/います」は どのように教えますか。
A8:
この課で勉強する文型は、所有の表現です。
ここでは「《~》は 〈~〉があります/います」の形で、《~》は〈~〉を所有していることを表します。助詞「が」に注意します。
7課の「~に ~が あります/います」 「~は ~にあります/います」は存在の表現です。 存在の表現では、必ず「(場所)に あります/います」となります。
「車が ありますか?」「はい、あります。」
「いいえ、ありません。わたしはお金がありません。」のようなQ&Aで練習します。
お金、車、家のほかに、テレビ、パソコンなどいろいろなことばを用意しましょう。
「あります」は物の所有、「います」は人や動物の所有を表します。 これは7課で勉強した「あります、います」の使い分けと同じです。 「弟が2人います」のように、家族構成を表すときも、この文型を使います。
Q9:
新しい文型のほかに、
この課で注意するところがありますか。
A9:
型Ⅰ「~が ほしいです」は い形容詞、文型Ⅱ「~が 上手/ 下手/すきです」は な形容詞ですから、否定形はそれぞれ「ほしくないです」
「上手/下手/ すきでは(じゃ)ありません」です。
Q10:
「わたしは、英語が上手です」「わたしは、料理が上手です」というと、 なんだか自慢しているようで、 日本人はあまり使わないような気がしますが・・・
A10:
その通りです。「~が上手です」はあまり自分については使わないほうがいいですね。 また、「あなたは、なにが上手ですか」という質問もさけたほうがいいでしょう。「あなたのおかあさん」のように第三者を話題にしたほうが無難です。
もしレベルの高い学習者だったら、自分に関しては
「~がとくいです」という表現を教えるのもいいでしょう。